開発日誌

テクニック

[ テクニック ] 経験値の仕様に苦悩

2020-09-18 04:34:06

昨日のExcelシートを使って必要経験値の調整をしていますが、このままだとなかなか調整が難しいですね。

RPGツクールVX Ace以降、次のレベルまでに必要な経験値量の計算式が変わり、基本値・補正値・増加度A・増加度Bという4つのパラメーターをもとに、以下の計算式でそのレベルに必要な累積経験値が求められます。

(基本値 × ((Lv - 1) ^ (0.9 + 増加度A ÷ 250)) × Lv × (Lv + 1)) ÷ (6 + Lv ^ 2) ÷ 50 ÷ 増加度B) + (Lv - 1) × 補正値

なるほど。さっぱり分からん。

特に250とか6あたりの固定値にモヤモヤとします。

それはともかく、各パラメーターに標準の30, 20, 30, 30を設定すると、レベル1→2に上がるのに必要な経験値が50、2→3が112、3→4が204……となります。

▲MZ(VX Ace以降)のデフォルト値

▲VX時代のデフォルト値

これは、VXの時の経験値算出と比べてかなり違いがあります。VXの時は基本値と増加度の2値のみで決まっていましたが、その時の標準値と比べると、レベル5〜6くらいまでの最序盤において、倍近くの経験値が必要になります。そこから急速に追いついて、レベル10〜11あたりで同じくらいの経験値量となり、そこから先はレベル20前後でVX時代の半分、レベル30を過ぎると1/3以下と、圧倒的に必要経験値量が少なくなります。

しかしこれでは、サクサクとレベルを上げたい最序盤はなかなかレベルが上がらない一方、後半になるとちょっと寄り道して戦闘数が増えただけでどんどんレベルが上がってしまい、適正レベルの調整が難しくなります。

序盤の敵の獲得経験値を増やせば、そこまで問題にはならないのですが、スライムごときに経験値4も割り振りたくありません(偏見)。最初の敵から得られる経験値は、1か2ぐらいに抑えるのが伝統というものです。そうでなくても、レベル5ぐらいで一気に獲得経験値が20を超えてしまうのは、インフレが過ぎます。その一方で、レベル20前後になっても6ぐらいずつしか1体あたりの経験値が増えていかないので、中盤以降ちょっとゆっくり進むだけで、あっという間にレベルが上がっていってしまいます。

VX時代の計算法でも、基本値をデフォルトの30にしていると状況は同じような感じですが、基本値を最低の10近辺にしてやると、ちょうどいい感じの調整になります。

▲VX時代の計算法で『小さな大冒険』の設定値

▲VX Ace以降の計算法で基本値を最低に設定

上の左は『小さな大冒険』の時の主人公リュックの設定値で、基本値を11、増加度を38にしています。これだと、最序盤は1体あたり1〜2の経験値ですぐレベルが上がり、経験値の上がり幅も1〜2前後で済んでいます。その後レベル10あたりから必要経験値量がどんどん増加していき、弱い敵ばかりを相手にしていてはなかなかレベルが上がらないようになっています。そしてラスボスを倒す想定のレベル35前後で1体あたりの適正経験値はMAXに達します。それ以降は想定している戦闘回数が多すぎるため、1体あたりの経験値が下がっていっている感じですが、このあたりはほとんどオマケみたいなものなので、あまり深く考えなくてもいいかと。

『小さな大冒険』の時はここまでちゃんと計算していなかったので、当初は1体あたりの経験値が少なく、けっこうレベル上げが必要となっていました。何度かバージョンアップを経て獲得経験値を増やした結果、上に近い調整結果となっています。

翻って、現行の経験値算出法。

基本値を最低の10にして、補正値は単に足しているだけなので0にしてやると、序盤の必要経験値は抑えられますが、逆に増加度を最高の50にしても、中盤以降ほとんど1体あたりの経験値が変わりません。基本値を上げると変わってきますが、そうすると最序盤の経験値にダイレクトに影響するため、動かしづらいです。

中盤以降の必要戦闘回数がちょっと多すぎる気はしていますが、そこを変えてもまだまだ足りません。

おそらく固定値になっている250とか6とか50とかを変えてやると、もうちょっとマシな上がり幅になりそうな気はしますが、なにぶん計算式が複雑なので、値を大きくすればいいのか小さくすればいいのかすらよく分かりませんw

皆さん、どうされているのでしょうか?

[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] 必要経験値をExcelで計算

2020-09-17 05:02:01
  • 次のレベルに上がるまでどのくらいの経験値が必要か。
  • 敵を1体倒すごとに得られる経験値はどのくらいか。

この両者のバランスを誤ると、レベル上げ作業が苦痛になったり、逆に普通に進めるだけで適正レベルをはるかに超えてヌルゲー化したりしてしまいます。

そこで、その調整をやりやすくするためのエクセルファイルを作ったので公開します。もちろん利用にはMicrosoft Office Excelが必要です。

RPGツクールVX Ace以降の経験値計算を対象としています。もちろんMVや最新のRPGツクールMZも対象です。

使い方はいたって簡単。

まずは、経験値曲線の4つのパラメーターである「基本値」「補正値」「増加度A」「増加度B」を入力します。

すると各レベルにおいて、次のレベルまでの必要な経験値と、累積経験値がそれぞれ算出されます。

次に、1回の戦闘で出現する敵キャラ数の平均値を「平均敵数」欄に入力します。だいたい2〜3体で出現することが多ければ、2.5ぐらいじゃないでしょうか。

そして「戦闘回数」の欄に、次のレベルに上がるまでに想定している必要戦闘回数を入力します。だいたい1つのダンジョンに入って出てくるまでにレベルが1上がると想定していたら、そのダンジョンでだいたい何回ぐらいの戦闘を想定しているか、ということです。最初は少なく、だんだん必要回数が増えていくのが、それっぽいのかなと思います。

以上で、各レベル帯において、敵1体に設定すべき獲得経験値の目安が求められます。

つまり、レベル10ぐらいで到達している地域で出現する敵の経験値は、どのぐらいが適正なのか、ということが算出できるというわけです。

昔のRPGだと、たびたびレベル上げ作業を強いられてもプレイしてもらえましたが、最近ではレベル上げが必要となろうものなら、まず投げ出されてしまいます。しかも一本道ストーリーも喜ばれず、いろいろな寄り道要素があるのが好まれるため、適正レベルの調整は並大抵のものではありません。

しかし、VX Ace以降の経験値計算法は、VXの頃に比べて適正経験値量の調整が難しくなったような。まあこれについてはまた別で述べたいと思います。

[ テクニック ] マップ講座(6) 自然地形の鉄則(3) 対称を避ける

2020-09-15 23:47:44

RPGツクールMZの発売により、中途半端なところで途切れていたマップ講座シリーズ。エターならずに続けます。

前回まで、自然地形の鉄則3つ。

  • 直線をなるべく避ける
  • 直角をなるべく避ける
  • 対称をなるべく避ける

ということで、2つ目の「直角を避ける」まで解説してきました。

というわけで今回は最後の対称をなるべく避けることについてです。

これまでと同様、自然の地形は左右対称を形作ることは少ないです。どうしてもいびつな形になります。

今回は森で考えてみます。まずは適当にフリーハンドで描きましょう。

まあまあですね。ただ、右上と左下の角が直角になっているのが気になります。前回の通り、1マスずつ削って直角を避けましょう。

はい、これで直角を避けることができました。めでたし、めでたし。

……ではなくて。とてつもなく人工感がありますね。上下と左右それぞれ対称のせいです。

こういう場合は、いずれかの角を調整して対称でなくすればOKです。今回はさっき直角を調整した、右上と左下を再度調整してみましょう。

右上を思いっきり削ってみました。その一方で左下は1マス削っただけに留めています。

対称の調整の場合、中途半端に調整しても、また別の場所が対称になってしまうことがよくあります。なので、割と大胆に削るか増やすかしてしまうのがオススメです。

以上で、自然地形の三原則について解説してきました。だいたいこれらのポイントを押さえれば、川や洞窟、森などの自然の地形が不自然な形になることはありません。

逆に人の手が入った鉱山や西洋風庭園などを作りたい時は、直線・直角・対称を適宜混ぜてやると、人工感が出せると思います。

ぜひトライしてみてください!

[ テクニック ] [ ツクール情報 ] 柵の向う側

2020-09-13 03:38:13

そう言えば、何の変哲もなさそうなこのマップですが。

実はこのマップを作るのは、ちょっと苦労と工夫があったんですよね。

というのも、何も考えずにこのマップを作ると、こうなります。

上と左右の柵が、何だかゴツいですよね。

柵はオートタイル扱いですが、マップの範囲外にも同じ柵タイルが存在するように扱われていて、それで柵が画面外に繋がっているわけです。下にある道タイルは画面外と繋がっていた方がいいのですが、柵がこうなっているのはちょっと困ります。

▲知らない人も多い機能の一つ、マップのシフト

というわけで、どうしたかと言うと、いったんマップのサイズを1回り大きくして、周囲を1マス空けた上で柵を張り巡らし、マップのシフト機能で上と左にそれぞれ1マスずつシフトして、最後にマップのサイズを元の17x13に戻しました。

あれ。VX版で同じマップを作った時は、こんな苦労をした覚えはないんだけど……と思って確かめてみたら、どうもRPGツクールVX Aceからの仕様のようですね。VXとVX Ace以降では、柵や茂みなどのタイルの扱いが変わったので、それに伴う仕様変更かなとも思うのですが、ちょっと厄介ですよね。

柵以外のオートタイルは、むしろ外側に繋がってくれた方がありがたいと思うので仕方ない気もしますが、一方で何とかならなかったのかという贅沢な気持ちも。

町や村の周囲を柵で囲む、みたいなことはよくあると思いますが、皆さんどうされているのでしょうか?

私の場合は、以前に述べた通り、必ず周囲に余白部分を残すようなマップ作りをしているので、こういう1画面に収まる特殊シーン用マップ以外では、あまり困ることはないのですが。

[ ゲームリリース情報 ] [ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] アイテム獲得メッセージにアイコンを表示

2020-09-06 03:14:15

自分で使うプラグインの開発シリーズ第5弾。今回もRPGツクールMV/MZ共通対応です。

プラグイン第1弾として公開した「データベースの名前表示プラグイン(PANDA_ConvertDataName.js)」を使うと、文章中でアイテム名の頭にアイコンを表示させることができますが、敵を倒してアイテムを入手した際のメッセージでは、アイコンを表示させることができません。

というわけで作りました。

このプラグインを導入すれば、戦闘終了時のアイテム獲得メッセージで、アイテム名の頭にアイコンを表示させることができます。

サンプル画像ではアイテム名の色も変わっていますが、これは「用語」の「メッセージ」で色を変更しているだけです。

色の変更は前回紹介した「重要語句の文字色変更プラグイン(PANDA_KeywordColor.js)」を使うと便利です。

戦闘終了時のメッセージは、他のプラグインで大きく変更している場合も多いと思います。そういう場合には、このプラグインはおそらく正常に動作しません。あくまでデフォルトのメッセージ表示の場合にのみ動作を保証します。

RPGアツマールで公開中のミニゲーム『夫婦戦争MZ(まさに絶体絶命)』にも、このプラグインを組み込んで更新しました。

まだプレイされていない方はこの機会にぜひプレイしてみてください。既にプレイされたという方も、再度プレイして見た目の違いをお楽しみください。

ちなみにハッピーエンドにたどり着けるルートは、作者が想定しているだけでも6通りあります。ぜひ全てのルートで攻略してみてください!