開発日誌

天下御免!からくり屋敷

[ 天下御免!からくり屋敷 ] 女はつらいよ

2020-07-11 20:18:10

ほとんどオッサンしか登場しない『天下御免!からくり屋敷』ですが、歴史編では女性キャラも多少は登場します。まあ、オッサンがメインであることには変わりないですけど……。

織田信長編と豊臣秀吉編に共通して登場する女性キャラとして、織田信長の妹であるお市の方と、その娘で後の豊臣秀頼の母親となる茶々(淀殿)がいます。もともと、織田信長編の第4幕の導入部に登場させてみたところ、上手い具合にハマったので、その後もストーリーに絡めるようになりました。なんとラブロマンス要素もあります。母娘そろって年の差カップルなので、あまり純粋な感じにはなっていませんが……。

それで今回は、そんなお市の方と茶々の、顔グラのお話です。

まずはお市の方。

彼女はもともと主要キャラクターとして考えていたわけではなかったので、顔グラは和風素材集の中から、とりあえずそれっぽそうという理由で、J_People1-3を使っていました。

当代一の美女と謳われながら、政略結婚と二度の敗戦という運命に翻弄される乱世の女性の物憂さが、よく表現されている顔グラではないかと思います。とりあえずで選んだ割には、上手く選べた感があります。

一方、その娘である茶々(後の淀殿)。

彼女を登場させる頃には、既に主要キャラクターになることが想定されていましたが、お市の方の顔グラが和素材付属のものなので、彼女の顔グラもバランス上、和素材付属のJ_People1-2を使いました。

お市の方と親子感がありますし、後に天下人・豊臣秀吉の側室となって跡継ぎを産むというしたたかさを持ちつつも、最終的には大坂夏の陣で敗北するという陰の部分も垣間見える、ぴったりな顔グラが選べたと思います。

しかし、ここで一つ問題が。

歩行グラは、お市の方が和素材付属のJ_Actor5-2、茶々がJ_Actor5-6をそれぞれ使っています。ですが、二人が並ぶと、顔グラと歩行グラがどうも逆に見えてしまいます。お市の方の顔グラにあるリボンが、茶々の歩行グラにあるリボンと一致するのが原因です。和風素材集は顔グラと歩行グラの位置関係が合っていないので何とも言えませんが、もともと想定された使い方とは逆に使ってしまっている模様です。

じゃあ歩行グラを逆にすればいいじゃん、と思いますが、二つの歩行グラを見比べると、やはりお市の方に使っている方が大人、茶々に使っている方が子供に見えるので、この方がしっくり来ます。

というわけで、改めて顔グラ探訪の旅に。

まずは、今川義元の顔グラでお世話になったそらまにぶろぐ様のところで、いくつか良さそうな候補を見つけました。しかし、お市の方は初出は10代前半、最後は40歳前後です。和素材のものは割と年齢不詳で、少女でも母親世代でもどちらともとれるのですが、フリー素材のものとなると、どちらかに寄せたものになってしまうため、違和感が拭えませんでした。

次に、いつものようにMVのキャラ生成機能で自作してみました。そこそこいい感じのものができたのですが、和素材のものにある陰鬱な表情が出せません。元の和素材の顔グラと比べると、どうしても見劣りが……。

で、最終的な結論。

不満があるのは、お市の方の顔グラのリボンだけです。これを取り去ることぐらいなら自分でも何とかできるので、画像編集で頑張ってみました!

アンチエイリアスとかかなり適当ですが、実際の顔グラとして使う分にはそれほど気にならない感じだったので、これでいいでしょう。いいことにする!

最初から画像編集しておけばよかった。何度も無駄にイベント編集してしまった……。

それにしてもMVのキャラ生成は、男性キャラは割といろいろなキャラクターが作れますが、女性キャラは少女漫画チックな目やギャグっぽい口しかなくて、中年以上の女性や立場のある女性キャラが作れません。女性用のパーツ素材はたくさん市販されていますが、ヒロインキャラ用と謳われているように、時代劇向けではありませんし……。

RPGツクールMZではこの辺が解消されていればいいのですが、動画で見える限りでは期待薄っぽいですね。

[ 天下御免!からくり屋敷 ] [ 素材 ] 富士は日本一の山

2020-06-28 17:20:09

久しぶりにフィールドマップを作っています。

以前と同様に日本地図を模したマップで、今回は大坂城を中心に西は九州、東は関東までの範囲が入っています。前回は三河あたりまでが範囲でしたが、今回は関東地方までが範囲ということで、必要になってくるマップチップがあります。

それは富士山!

やはり日本のマップを作るからには、富士山がないとそれっぽさが出ないですよね。

ですが、和風の素材集には活火山のマップチップはあるものの、富士山っぽいチップはありません。まあ、この時代は富士山もよく噴火を繰り返していたので、溶岩噴き出る活火山のチップでいいのかもしれませんが……。

そうは言っても雰囲気というものがあるので、富士山のマップチップを自作しました。RPGツクールMVのデフォルト素材にある火山と溶岩火口のチップから、縮小と色替えで作りました。

VX/VX Aceや和素材にも火山・溶岩火口ののマップチップはあるのですが、頂上および裾野が富士山っぽい形をしているのはMVのものだったので、MVのものから改変しました。

サイズがVX/VX Ace仕様なので、今さらどれだけ需要があるか分かりませんが、せっかくなので素材として公開します。下記画像を直接保存して、Tile Eなどに組み込んでご利用ください。

改変素材につき、使用する場合はRPGツクールMVのユーザー登録が必要ですのでご注意ください。その他の素材利用条件などについては、このサイトについての「提供素材について」の項目をご覧ください。

[ 天下御免!からくり屋敷 ] [ テクニック ] [ ツクール情報 ] VX 128MBの壁

2020-06-21 17:43:40

XP以降のRPGツクールにはゲームデータの暗号化圧縮アーカイブを作成する機能がありますが、一定サイズを超えるとエラーになるという話は聞いていました。そこまで大規模なゲームを作るつもりもないので、自分には無関係だと思っていたのですが、最近になってそのサイズが圧縮後で「128MB」だという情報を目にして、意外と小さいな……と思ったのが事の始まりです。

念のため、ゲームデータで一番容量の大きいBGMフォルダーのサイズを調べてみたら、既に125MB。もちろんこれ以外に画像ファイルなども多数あるので、ゆうに128MBを超えてしまいます。昔は、BGMファイル少なすぎwとか言われたものですが、歴史編に入って雰囲気を変えようとBGMをばんばん追加していたら、いつの間にか容量を食っていたようです。

試しにアーカイブを作ってみたところ、ちょうど128MBのファイルが生成されました。お、ギリギリセーフ?と思って解凍すると、果たして途中でエラーに……。ちょうど128MBのファイルが生成されたというよりも、サイズが128MBで強制的に削られてしまっているようですね。

回避方法はあるようですが、あまり正攻法でない手段をとるのは好きではありません。まずは容量を抑える方針で行こうと、まだ使用していないBGMファイルをいくつか削除してみました。が、いくつか削除しただけでは残念ながら、128MBまでに抑えることはできませんでした。また、たとえ現時点でぎりぎり抑えられたとしても、歴史編はまだまだ作る予定です。そうすると顔グラやキャラグラなどの画像ファイルも増えていくので、いずれ容量オーバーになることは避けられません。大規模なゲームを作るつもりはないと言いながら、プレイ時間は75時間を超える作品になってきているので、十分に大規模なゲームでした。

というわけで、素直に回避策をとることにしました。具体的な方法は、半生様の「大容量プロジェクトの圧縮方法」を参考にさせていただきました。要は、暗号化の途中で生成された暗号化アーカイブファイル(Game.rgss2a)を待避しておいて、それとAudioフォルダーやGame.exe、Game.iniと一緒に、別途zipで圧縮すればOKですね。

プレイヤーに変な負担をかけたくなかったので回避策には消極的だったのですが、よく考えてみたら、今もアーカイブのexeファイルそのままではなく、それをさらにzip化(Readme.txtなどはアーカイブの外に置きたいため)しているので、プレイヤーにとっては二度の解凍作業が必要になっているんですよね。一方、この圧縮方法であれば一回の解凍で済むので、むしろこっちの方がプレイヤーにとっては楽。ということで、心置きなくこの方法をとることにします。

まあ問題は、それがいったいいつになるのか、ということなんですけどね。

[ 天下御免!からくり屋敷 ] [ テクニック ] 崖の改修工事

2020-06-14 23:45:14

RPGツクールVXには4方向の通行設定が存在しないため、その機能を使う崖のマップチップもデフォルトでは用意されていません。ですが、私の作品では『小さな大冒険』の時から山道などの段差のあるマップを実現しており、『天下御免!からくり屋敷』でも多用しています。

段差の実現方法については、プロジェクトファイルを公開しているので、そちらを参照していただくとして、そうした技術面とは別に、崖部分を表すマップチップをTile Eに設定しています。

崖部分のマップチップですが、これまでは全てのパターンを網羅するために48チップ、さらに通行可と通行不可の2種類を用意して、全部で96チップを使っていました。しかし、実際にはこんなにパターンいらないので、必要なチップだけに絞ってスリム化を図ってみたところ、約1/4に量を減らすことができました。

既存のマップの崖を改修するという重労働を、1日かけて実施しました。歴史編になって段差のあるマップを作りすぎです……。通行可と通行不可をミスるといけないので、後で入念にチェックしておかないと。って、それが大変な気もしますが。

しかしその甲斐あって、残りスペースがわずかだったTile Eに、大量の余裕が生まれました。これでもうちょっと違ったマップも作れそうですね。

[ 天下御免!からくり屋敷 ] [ テクニック ] 梁の下をくぐりたい

2020-06-06 04:27:01

左図のような構造のマップでは、入口の上の梁の部分の下をくぐれるようにしたいです。

ですが、屋根・天井のマップチップはTile Aなので、通行設定を[☆](後ろを通行可能)には設定できませんし、できたらできたで梁部分以外も通行できてしまうため問題があります。

最初は、梁部分にすり抜け可能な透明のイベントを置いて、接触時に自動実行でプレイヤーを透明状態にしつつ、梁部分の前後に同じく透明のイベントを置いて、プレイヤーを通常状態に戻すようにしていました。しかしこれだと、梁部分に接触した瞬間にプレイヤーが消え、通り抜けた瞬間にプレイヤーが出現するため、わずか一瞬の出来事とはいえ、ぎこちなさが残ります。

そこで、次のようにしました。

まず、屋根・天井のマップチップ(TileA3、TileA4)を加工して、キャラクターチップの画像ファイルを作ります。この時、キャラクターのサイズは通常の32×32よりも横に16ドット広い48×32で作り、さらに上に4ドットずれる仕様を無効にするためファイル名に"!"を付けます。

キャラクターチップは、TileA3/A4のオートタイルの仕組みに合わせて、右図のように32×16のパーツと8×16のパーツを組み合わせることで、48×32のキャラクターを作ります。単純な画像の切り貼りだけなので、高度な画像編集技術は不要です(ここ重要!)。左右に8ドットずつはみ出させることで、オートタイルの切れ目を隠せるのがポイントです。

後は普通に、通行可能な地面の上に、すり抜け可、かつプライオリティを「通常キャラの上」に設定した、屋根・天井キャラのイベントを置けば、自然に梁の下をくぐる仕組みが実現可能です。

これまでは、部屋の外と中で別のマップにしていましたが、こういう風にできるのであれば、いちいち部屋の中に入る時や外に出る時に場所移動が発生しなくて済みますし、マップ数も節約できますね。

とは言え、部屋の中に何があるのか、入ってみるまでは分からないようにしたい、というケースが大半なので、実際の使いどころは限られてくるかもしれません。今さら全部の部屋マップを直すのも大変ですし……。