開発日誌

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[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] RPGツクールMZプラグインまとめ

2021-01-22 21:37:22

去年の8月以降、RPGツクールMZ(MVも一部対応)のプラグイン素材をいくつか公開してきましたが、埋もれてしまったものも多そうなので、ここらでまとめて紹介します。

ルビ表示プラグイン

詳しくは「RPGツクールMZでルビを振る」記事参照。

こんな感じでテキストにルビを振ることができるプラグインです。

{九尾|きゅうび}の{狐|きつね}のように、ルビを振りたい文字を{ }で囲んで、 | の手前の漢字、後ろにルビを記述すれば、ルビ付きのテキストとして表示されるようになります。

とてもシンプルな記述でルビを実現できるので便利!

ややルビの文字サイズが小さめですが、1行の高さを標準から変えずにルビ振りができるので、ウィンドウレイアウトに影響しないのが特徴です。文章の表示だけでなく、アクター名、スキル名、敵キャラ名、説明文や戦闘メッセージなど、基本的に全てのテキストに対応しています。

進行状況ウィンドウプラグイン

詳しくは「メニュー画面に物語の進行状況を表示」記事参照。

メニュー画面上部に、現在の物語の進行状況を示す簡単なテキストを表示できるプラグインです。

進行度を管理する変数を1つ用意し、その変数の値に応じたテキストを入力しておけば、メニュー画面を開いた際に常に現在の進行状況が表示されます。日をまたいでプレイ再開した時に、「次は何をすればいいんだっけ?」となるのを防げます。

ウィンドウの位置は好みの場所に調整可能です。

※ MVにも対応したVersion 1.1.1をリリースしました。「進行状況ウィンドウプラグインをMVにも対応」記事参照。

データベースの名前表示プラグイン

詳しくは「文章中にアイテムや敵キャラ等の名前を表示」記事参照。

「文章の表示」コマンドやアイテム等の説明文で、以下の制御文字をそれぞれの名前に置き換えてくれるプラグインです。

\class[n] n番の職業名
\skill[n] n番のスキル名
\item[n] n番のアイテム名
\weapon[n] n番の武器名
\armor[n] n番の防具名
\enemy[n] n番の敵キャラ名
\troop[n] n番の敵グループ名
\state[n] n番のステート名

\item[\V[1]]のように、nに変数を用いることも可能です。また\*skill[n]のように頭に*を付けると、そのスキルのアイコンを表示できます(item、weapon、armor、stateも同様)。

上のように書いておくと、下のように表示されます。

アイテム発見イベント規格化プラグイン

詳しくは「アイテム発見イベント規格化プラグインとサンプルミニゲーム」記事参照。

宝箱やタンス、タルなどを調べるとアイテムが見つかる、というイベントを簡単に組むためのプラグインです。

イベントの名前を例えばi1とすればID1番のアイテムが、w25とすればID25番の武器が、g500とすればお金500Gが、手に入るイベントを作成できます。アイテム入手時の演出やメッセージは、上の「データベースの名前表示プラグイン」と組み合わせたコモンイベントで作成します。

後から宝箱の中身を変更する際に、イベント名を変更するだけで済むので、とても便利です。ちょっと作成方法がややこしいので、上記記事で紹介しているサンプルゲームも参考にしてください。

重要語句の文字色変更プラグイン

詳しくは「重要語句の文字色変更プラグイン」記事参照。

「文章の表示」コマンドや説明文等で <N人名> のようにテキストを囲むと、囲まれた部分の文字色を手軽に変更することができます。人名は青、アイテム名は赤のように、語句のタイプに応じて色を変えることができ、語句のタイプと対応する色は自由に指定可能です。

プラグインがなくても色の変更は制御文字の\C[n]で可能ですが、人名は青にしてたっけ赤にしてたっけとか、色を戻し忘れたりとか、後から人名はやっぱり黄色にしたいとか、このプラグインが役に立つ場面はいくらでもあるはずです。

アイテム獲得メッセージにアイコン表示プラグイン

詳しくは「アイテム獲得メッセージにアイコンを表示」記事参照。

こんな感じで、戦闘終了時のアイテム獲得メッセージにおいて、アイテム名の頭にアイコンを表示させることができるプラグインです。

なお、サンプル画像ではアイテム名の色も変わっていますが、これは「用語」の「メッセージ」で色を変更しているだけです。

バフ・デバフ効果個別設定プラグイン

詳しくは「バフ・デバフの効果を個別に設定」記事参照。

バフ・デバフの倍率を、能力値および強化か弱体かでそれぞれ個別に設定できるプラグインです。

デフォルトだと全て1段階につき25%共通なので、能力値によっては物足りなかったりします。それが柔軟に設定できます。

セルフスイッチ操作プラグイン

詳しくは「任意のセルフスイッチを消去」記事参照。

プラグインコマンドで、対象のマップID、イベントID、スイッチID(A-D)を指定すると、該当のセルフスイッチをOFFにすることができます。マップIDは全てのマップや現在のマップ、イベントIDやスイッチIDは全てのものなども指定可能です。

特定セルフスイッチ消去プラグイン

詳しくは「特定のセルフスイッチをリセット」記事参照。

マップに入った際、そのマップにあるイベントのうち、名前が指定した正規表現にマッチするイベントのセルフスイッチをOFFにできるプラグインです。

マップに出入りするたびに復活する宝箱とか、開けた扉や押したスイッチを元の状態に戻したい時とかに使えます。

メッセージ中にスイッチ操作プラグイン

詳しくは「台詞の途中でスイッチ操作 in MZ」記事参照。

文章表示の途中でスイッチのON/OFFができるプラグインです。

「文章の表示」の制御文字で、\+switch[n]と入れるとn番のスイッチをONに、\-switch[n]でOFFにできます。

スイッチに連動した並列処理を使うことで、台詞の途中の狙ったタイミングでキャラクターを動かしたり、フキダシアイコンを表示したり、効果音を入れたりすることが可能になります。

戦闘終了時特殊処理プラグイン

詳しくは「戦闘終了時に特殊処理」記事参照。

戦闘終了後に直ちにフェードアウトさせたり、BGM/BGSを継続させずに停止したり、勝利時・敗北時など条件によってスイッチをONにできるプラグインです。バトルイベントの0ターン目(戦闘開始時)に、プラグインコマンドで指定するようになっています。

ボス戦後などにイベントを実行したい時、標準だと経験値やお金の獲得メッセージを出している間に元のBGMが流れてしまいますし、イベントが始まる前に一瞬だけ元のマップが表示されてしまいます。このプラグインを使うと、BGMを停止させたり、フェードアウトした状態でイベントに移行することができます。

選択肢表示時SEプラグイン

詳しくは「選択肢表示時にSEを鳴らす」記事参照。

「選択肢の表示」で選択肢ウィンドウが表示される際に、SEを鳴らすプラグインです。

職業名の代わりに二つ名表示プラグイン

詳しくは「職業の代わりに二つ名を表示」記事参照。

ステータス画面等で職業名の代わりに二つ名を、二つ名の代わりに職業名を表示するプラグインです。後者はプラグインパラメータで非表示にすることもできます。

長編RPGなどで、ストーリーに応じて主人公の職業が「村の自警団兵」→「王国兵」→「勇者」などと変化する場合、それを職業の代わりに二つ名の変更で済ますことができます。

イベントスキッププラグイン

詳しくは「イベントスキップを実装した」記事参照。

並列処理イベントと連携して動くプラグインで、指定したラベルの位置(もしくはイベントの最後)までイベントをスキップさせることができます。あまり高機能ではなく、会話だけのイベントを飛ばすといった限定的な使い方を想定しています。

VX方式経験値算出プラグイン

詳しくは「必要経験値の計算をVX方式で」記事参照。

レベルアップに必要な経験値の算出方法をVXでの方式に変更するプラグインです。

VX Ace以降、MV、MZの算出方法だと、序盤はなかなかレベルが上がらない一方、中盤以降はどんどんレベルアップしてしまい、バランス調整が非常に難しいです。VXでの算出方法に変えることで、調整をやりやすくすることができます。


以上、全部で15個ありました。思ったより作ってましたね。

あまり派手なものはないですが、ツクールのちょっと物足りないところや融通の利かない部分を補う、便利なプラグインだと思います。ぜひご利用ください!

質問やアドバイスなどはコメント欄まで、お気軽にお願いします。素材利用条件などについては、このサイトについての「提供素材について」の項目などをご覧ください。

[ サイト情報 ] [ その他の雑記 ] 2020年総括

2020-12-31 13:48:20

いろいろあった2020年も大晦日を迎え、毎年恒例の年末総括を。

今年は8月にwerepanda.jpの開設10周年を迎えたのをはじめ、いろいろと転機を迎えた一年でした。

大きいのはやはり、RPGツクールMZの発売でしょう。

VX AceやMVの時は軽く触れただけでしたが、MZには期待を寄せていたこともあって、発売前の情報公開もしっかり追っていました。敵グラフィックにスライムがいないなど、期待を裏切られた部分もありましたが、おおむね満足できる出来だと思います。不安だったプラグイン制作もすぐに順応でき、いろいろなプラグインを公開しています。そのお陰もあって、更新頻度もかなり増えました。平気で半年とか放置していたのが嘘のようです!

また、今までは自サイトで情報発信するだけでしたが、MZの発売を契機にツクールフォーラムにも書き込むようになりました。その縁で12月には「ツクールフォーラムアドベントカレンダー Advent Calendar 2020」にも参加させていただきました。

さらに遅ればせながら、twitterも9月から始めました。最初はどのくらい賑わうか不安だったのですが、フォロワーも順調に増え、反響の大きかったツイートは1万を超えるインプレッションを獲得するなど、拡散力の強さを思い知りました。日々の制作状況や心の叫びなどはtwitterの方にも上げていますので、ぜひフォローよろしくお願いいたします。

肝心のゲーム制作ですが、MZの発売を機にミニゲームとして『夫婦戦争MZ(まさに絶体絶命)』をリリースしました。ブラウザゲームをリリースしたのはこれが初めてで、RPGアツマール版ふりーむ!版、合わせてプレイ数は850ぐらいと少ないですが、実況プレイ動画もいくつか上げていただいていますし、楽しんでいただいた方も何人かいらっしゃるみたいなので、嬉しい限りです。ネタゲーに見えて意外と奥が深い作りになっていますので、まだの方はぜひプレイしてみてください!

そして現在は、『天下御免!からくり屋敷』の続編制作を中断して、MZで長編王道RPGの新作を制作開始しました。4ヶ月弱でまだ進捗1割程度ですが、2022年の春頃完成を目指して制作進めています。『天下御免!からくり屋敷』の方は、MZでリメイクも視野に入れています。リメイクした暁には、戦闘面をもう少し凝ったものにしたいですね。

来年も外出自粛ムードが続き、自宅内で楽しめるフリーゲームの需要は伸びていくものと思われます。少しでも貢献できるものを作っていきたいと思いますので、2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

[ テクニック ] 透明タイルや空イベントを使ったツクールの小技

2020-12-18 00:00:12

本記事は「ツクールフォーラムアドベントカレンダー Advent Calendar 2020」12月18日分の投稿記事です。

今回は、透明タイルや空イベントを使った小技について紹介します。

割と基本的で伝統的な小技なので既にご存じの方も多いと思いますが、基本的ゆえにあまり解説されていなかったりもしますので、改めてご紹介したいと思います。

ツクールのバージョンに関わらず共通して使えますので、応用範囲も広いです。

透明タイルで通行制御

例えば次のような、段差に橋が架かったマップを考えます。

しかしこのままでは、この橋は渡れません。

段差の縁には自動的に四方向通行設定がなされていて、下方向以外は通行不可に設定されています。赤線の間は互いに行き来ができません(当然、壁面の部分はもともと通行不可なので、階段部分以外の下方向にも行けません)。

したがって、下方向にある階段とは互いに行き来ができますが、横方向にある橋とは互いに行き来ができないのです。

これを解決するには、小石や草花といった通行可能な装飾タイルを上に置けばOKです。

RPGツクールの通行判定は、レイヤーが上のタイルの通行設定(ただし[☆]のタイルは無視)が優先される仕組みになっています。なので、下層レイヤーのタイルが通行不可でも、上層レイヤーに通行可のタイルを置けば通行可能になります。

とは言え、橋のたもとにいつも小物が置いてあるのは、景観的に問題があります。

そこで活躍するのが、透明タイルです!

タイルセットの画像にわざと透明のタイルを作り、通行設定を[○]にします。

そしてこの透明タイルを橋のたもとに置くのです。こうすれば外観を変えることなく通行設定を制御することが可能です。

注意点としては、Bタイルの一番左上に透明タイルがありますが、これは上層レイヤーに何もないことを表すタイルなので、通行設定をデフォルトの[☆]から変更してはいけません。必ず別のタイルを透明にして使いましょう。

また、透明なので、実際にタイルが設置されているのか分かりづらいです。なので、開発段階では透明ではなく、分かりやすく○などの記号を入れておくのがお勧めです。リリース時に透明に直すのを忘れないようにしてください。

また通行可にするのとは逆に、通行設定を[×]にした透明タイルで、通行不可にすることもできます。

よくある使い方としては、段差の縁に草花などの小物を置くと、前述の通り上層レイヤーの通行設定が優先されるため、段差の四方向通行設定は無視されて、上側に通り抜けられてしまいます。

そんなところに小物を置かなきゃいいという話でもありますが、置きたい場合もあるでしょう。マップの構造上、上側に立ち入れる必要がないのなら、上側に通行不可の透明タイルを置けば、この問題は解決します。

モブキャラの移動範囲を制御

マップ上にモブキャラを設置して、全く動かないのは味気ないので、自律移動を「ランダム」にして歩き回らせるとします。

そうした時によく起こる問題として、気付いたらキャラクターがとんでもない位置にいたとか、狭い通路に入り込んでプレイヤーの邪魔になるといったことがあります。

前者の問題に対しては、元の位置からあまり離れすぎた場所に行かないようにするプラグインなどもありますが、後者の狭い通路に入り込んでしまう問題には、基本的に無力です。

しかし、後者の問題も解決できる、もっと簡単な方法があります。

「すり抜け」でないイベント同士は重ならない性質を利用して、立ち入ってほしくない場所に空のイベントを設置するのです。

こうしておけば、その場所にはキャラクターが行かないようになります。もちろんプレイヤーキャラクターは普通に通行が可能です。

これ以上進んでほしくないところや、1マスしかない通路の入口、ドアや宝箱の前などに空のイベントを設置すれば、元の位置からあまりに離れたところまで行ったり、狭い通路でプレイヤーの邪魔をすることもなくなります。

イベントの内容はデフォルトの状態で構いません。画像は「なし」、「すり抜け」がOFF、プライオリティが「通常キャラの下」になっていればOKです。

注意点としては、空とは言えイベントには違いないので、むやみやたらと置くと重くなります。斜めに置いたり、壁や樹木、テーブルなど通行不可のオブジェクトを上手く利用したりして、設置する数を節約しましょう。

宝箱をカウンター越しに開けられなくする

カウンター属性を利用すると、お店などでカウンター越しに店員と話ができるので便利です。

ただ仕様的には、「カウンター越しにキャラクターと話せる」という機能ではなく、「カウンター越しにイベントを起動できる」というものに過ぎません。

したがって、宝箱などをカウンターに隣接して設置すると、それもカウンター越しに開けられてしまいます。これだとちょっとマズいですね。

そもそもそんなところに宝箱を置かなきゃいいと言われればその通りなのですが、マップを作っていると案外こういうことはよく起こります。

これを解決するには、カウンター部分に空のイベントを置けばOKです。

ただし今回は「モブキャラの移動範囲を制御」とは違い、デフォルト状態だとイベントが無視されて、カウンター属性が効いてしまいます。

無視されないようにするには、プライオリティを「通常キャラと同じ」にすることと、実行内容が空でないことが必要です。実行内容は空でさえなければ何でもよく、例えば「注釈」だけにしておけば、他に何も影響しないのでオススメです。

こうしておけば、カウンター上にあるイベントが優先的に起動するので、カウンター越しに宝箱が開けられることはありません。

宝箱以外にも、カウンター裏のスイッチとか、カウンターの奥に倒れている人とか、カウンター越しに発動すると違和感のあるイベントに使えます。

ポイントは、設置する空イベントのプライオリティを「通常キャラと同じ」にすることと、実行内容が空でないことです。

逆に、実行内容が空であれば、イベントが設置されていても無視してカウンター属性が発動するため、カウンターの上にイベントで小物等を置いても、問題なくカウンターとして機能します。

タッチUIで額縁や貼り紙を調べる

2マスある壁の上側に置いた額縁や貼り紙を調べるイベントを考えます。

壁の上側だと直接は触れないので、壁の下側にイベントを設置するのが普通です。キーボードやコントローラーの操作ならば、これで何の問題もありません。

しかし、MVから導入されたマウスやタッチ操作の場合、このやり方だとちょっと不都合があります。額縁や貼り紙自体をタッチしても、そこにはイベントが設置されていないので反応しません。その下をタッチしないと反応しないという、やや直感的でない操作を要します。

かといって、額縁や貼り紙自体にイベントを設置しても、壁が邪魔なので、やはりイベントは起動しません。

それを解決するには、カウンター属性付きの透明タイルを利用しましょう。

まず先述の「透明タイルで通行制御」と同様に、タイルセットに透明のタイルを作って、そこに「カウンター属性」を付与します。もちろん通行設定は[×]にしてください。

そしてイベントは額縁や貼り紙自体に設置し、その下のマスの上層レイヤーに、このカウンター属性付きの透明タイルを置きます。

こうすることで、望み通りの動作をさせることができます。

先述の通り、やはり透明タイルのままだと分かりにくいため、開発段階では◆などの記号にしておき、リリース時に透明タイルにすることをオススメします。

おわりに

いかがだったでしょうか?(キュレーションサイト風)

いずれも少しの工夫で、仕様上の不都合が解決したり、プレイしやすくなったりするので、オススメです。

この手のテクニックは、知っている人にとっては基本的すぎるため、あまりしっかりと解説されていない印象があります。

昔はゲームデータの暗号化機能がなく、エディターを持っていれば中身を開いて見られたため、この手のテクニックも自然と広まっていきましたが、XP以降、暗号化アーカイブが作れるようになってからは、敢えて解説しないと広まっていかないような気もしたので、書いてみました。

それでは今回も長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。

[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] メニュー画面に物語の進行状況を表示

2020-12-08 00:00:10

本記事は「ツクールフォーラムアドベントカレンダー Advent Calendar 2020」12月8日分の投稿記事です。

長編RPGをプレイしていてありがちなこと。「次は何をすればいいんだっけ?」

大人になると毎日ゲームして遊ぶというわけにもいかず、忙しくて数日、下手をすると数週間以上も間が空いてプレイ再開ということもあり得ます。

それだけブランクがあると、多くのプレイヤーはこれまでの話の内容や、次に何をすればいいのかをほとんど忘れてしまうでしょう。

ストーリーを百も承知な制作者目線ではなかなか気付きにくいポイントですが、途中で次の目的が分からなくなってプレイを断念するというのはよくある話で、その対策として「思い出すコマンド」や「あらすじノート」など、様々な手法が開発されてきました。

とはいえ、あまり凝った仕組みを作るのはコストがかかりますし、あまりに自己主張が激しい見せ方も抵抗があります。

いろいろ思案した結果、現在の進行状況を示す簡単なテキストを、メニュー画面に表示するようにしました。シンプル!

RPGツクールMZでは、メニュー画面の上部にマウス操作用のボタンスペースがあります。そのままだと1行が収まりきらないのですが、余白を調整することで、何とかこのスペースに1行テキストのウィンドウを表示させることができました。デッドスペースの有効活用!

プラグイン素材として公開します。

※ RPGツクールMVにも対応したVersion 1.1.1をリリースしました。「進行状況ウィンドウプラグインをMVにも対応」記事参照。

使い方は簡単です。

まず物語の進行度を管理する変数を1つ用意し、その変数の番号をプラグインパラメータの「進行度変数」に指定します。

そして、その進行度変数の値に応じたテキストを、「進行度テキスト」にリストの形で入力します。

変数の値がリストの番号に相当していますので、進行度変数の値は1がスタートとなります。値が0の時は何も表示されませんので、オープニングイベントの中で進行度を1にしてやる必要があります。

後は、イベントの時にこの進行度変数の値を順次操作してやればOKです。

数が多いとテキストを用意するのも入力するのもかなり大変ですが、そこは頑張りましょう……。

ウィンドウ系のプラグイン作成にあたって

今回、プラグイン化するにあたって悩んだのが、メニュー画面のレイアウトは様々なプラグインが出ており、各自で変更されていることが多い点です。

そのため、プラグインとして公開しても、ウィンドウの位置がネックとなって、あまり使われないのではないかという懸念がありました。かといって、数あるウィンドウレイアウト系のプラグイン全てに対応させるのは不可能です。

どのようにしたかというと、プラグインパラメータでデフォルトのウィンドウ位置にするかのON/OFFを設けました。

ONの場合はデフォルトの通りにメニューの上部に表示。OFFの場合は別途パラメータで、ウィンドウの左上隅のX座標とY座標、および幅と高さを指定できるようにして、その値に従ってウィンドウを表示させるようにしました。

こうして自由に位置を設定できるようにしておけば、どんなレイアウトでも対応可能ですし、逆にデフォルトでよい場合は何も設定しなくて済みます。

このように、デフォルトレイアウトをOFFにして、ウィンドウの位置とサイズを指定すれば、好きな位置にウィンドウを置けます。ていうか邪魔w

ウィンドウの高さを調整すれば、複数行表示にも対応しています。進行度テキストは\nで改行できます。\N[n]\C[n]などの各種制御文字も反映されます。

ウィンドウをいじる系のプラグインは競合が厄介ですが、このようにデフォルトか位置・サイズ指定かを選べるようにしておけば、柔軟性が増すのではないかと思います。プラグイン化を検討する際は、ぜひ参考にしてください。

単行テキスト入力で改行したい

パラメータの型(type)で文字列型には、単行のテキストであるstringと、複数行のテキストを入力できるmultiline_stringの2種類があります。

今回のプラグインでは、基本は単行のテキストで、指定の仕方によっては複数行も表示できるよ、という形だったので、パラメータ型は単行テキストのstringを採用し、改行したい場合は改行文字\nを入れてもらうようにしています。け……決してmultiline_stringがあることを知らなかったわけじゃありません(汗

当然、単行テキストで\nと入力しても、そのままでは改行だと認識されないため、スクリプト内で改行コードに変換しています。

変数textにパラメータの値が代入されているとして、通常のテキストなら、

text = text.replace("\\n", "\n");

で、\nが改行コードに変換されます。

今回のようなリスト形式であれば、

text = text.replace(/\\\\n/g, "\\n");
text = JSON.parse(text);

で、textに改行反映済みのテキストの配列が格納されます。\がカオス……。

基本は1行だけど、場合によっては改行も可能、みたいなパラメータを設定する場合は、ぜひ参考にしてみてください。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

[ サイト情報 ] サイトのフォントサイズを大きくしました

2020-12-05 07:06:31

最近、小さい文字が読みにくくなってきた……であろう読者の皆様のために、当サイトの文字のサイズを大きくしました。

これまではフォントサイズを標準から1段階小さくしていたのですが、昔に比べて画面サイズも大きくなって文字が小さいと縮こまった印象を受けますし、スマホであれば文字サイズは調整されるのでサイズを指定してるとかえって邪魔、何よりも小さい文字だと読みにくい……とGoogle先生に怒られるらしいので、標準の文字サイズに変更しました。

ページの横幅もそれに合わせて少し広げたのですが、フォントの拡大率に比べるとやや狭いため、これまで1行で収まっていたのが収まらなくなったりということが発生しています。

けっこうこれまで文章を書くにあたって、最後が微妙に改行されて1~2文字だったりした場合は、文字数を削ってギリギリ行末に収める、というようなことをよくしていたのですが、少し幅が狭まったせいで数文字残して改行、みたいな行が大量発生しています。うわーん。

同時に、ページの文字コードもこれまでのShift JISからUTF-8に変更しています。

きっかけは、「ツクールフォーラムアドベントカレンダー Advent Calendar 2020」に記事を登録したら、記事のタイトルがUTF-8でないと文字化けしてしまうようだったので、それへの対処です。

最初うまくいかなくて文字化け状態になってしまったのですが、諦めかけたその時に、データベースとの入出力で文字コードを指定していたことを思い出し、そこを修正したらあっさり解決しました。

もし正常に表示されていないページ等を発見したら、ぜひお知らせください。

それではこれからも、werepanda.jpをよろしくお願いいたします。