開発日誌

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[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] 既にかかっているステートの重複付与を無効化

2025-07-20 18:24:08

既にステートにかかっている場合、同じステートには重複してかからないようにするプラグインを公開しました。

RPGツクールMV/MZ両対応です。(2025-07-29:MVにも対応しました)

ツクールの標準では、例えば眠っている相手に対して眠りのスキルを使った場合など、あるステートが既に付与されている状態で同じステートを付与しようとした場合、既に付与されているかどうかは関係なく、ステートの付与判定が行われます。

ここで判定が成功だと、同じステートが再度付与され、継続ターン数も上書きされます。

一方で失敗の場合は、「○○には効かなかった!」というメッセージが表示されますが、実際には元のステートがかかったままなので紛らわしいです。

このプラグインを導入すると、既にかかっているステートは再付与されないようになり、継続ターン数もリセットされません。また「既にかかっている」といった旨のメッセージを表示させることができます。

既にそのステートにかかっているかの判定は、ステートの付与成功判定に先立って判定されるため、失敗のメッセージが表示されることもありません。(ただし、スキル自体の成功率・命中率が原因で失敗した場合には、失敗のメッセージが表示されます)

具体的な設定方法は、プラグインパラメータで重複付与を禁止したいステートIDを指定します。

ここで指定したステートのみが重複付与無効の対象になります。指定されていないステートは標準通りの処理がなされます。

また、既にそのステートにかかっている時に表示する戦闘メッセージを指定します。%1が対象者の名前に変換されます。メッセージはアクターと敵とでそれぞれ指定可能です。特にアクターと敵とでメッセージを変える必要がなければ、両方に同じメッセージを指定してください。空欄の場合はメッセージが表示されません。

ランダムでステートが付与されたり、ターン経過でステートが変化したりなど、実際に付与されているステートと付与判定に使用するステートとが異なる場合があります。そのような場合は実際にかかっているステートを「判定用ステート」欄に指定します。判定用ステートは複数指定が可能です。

継続ターン数がリセットされなくなるので、例えば睡眠が効くボス敵にずっと睡眠をかけ続けて完封するとか、物理攻撃主体のボス敵にずっと暗闇をかけ続けるといった単調な戦法が通用しなくなります。

逆にずっと眠らされ続けて嵌められるといった事態も防げるので、理不尽な戦闘にならずに済むでしょう。

今後もいくつか、ツクールの標準戦闘の仕様で大味な部分を調整するプラグインを公開予定なので、お楽しみに。

質問やアドバイスなどはコメント欄まで、お気軽にお願いします。素材利用条件などについては、このサイトについての「提供素材について」の項目などをご覧ください。

[ 王国の英雄 ] [ サイト情報 ] [ その他の雑記 ] ツクラーショウケースに出演しました

2025-07-14 22:29:16

少し時間が経ってしまいましたが、2025年6月15日の「ツクラーショウケース」にサプライズツクラーとして出演させていただきました。

ツクラーショウケースとは、shinさん主催のYouTubeチャンネルで年に数回開催されている、ツクールを中心としたゲーム製作者のプレゼンテーション企画で、今回で5回目となります。

毎回、事前に出演者が知らされていないサプライズツクラーという枠があって、意外な人物の登場に湧いたり誰かを予想して楽しむなど盛り上がる企画となっていましたが、第5回の今回はなんと14人全員がサプライズツクラーということで、自分はその中で11番目のサプライズツクラーとして出演させていただきました。

こちらが当日放送したPVです。

出演オファー

3月の頭頃にshinさんから光栄にも出演オファーの連絡をいただきました。

ショウケースを何度か視聴して一度は自分でも出てみたいと思っていたのと、6月頃ならちょうど制作中の長編大河RPG『王国の英雄』が完成……間近になっている頃なのでプロモーションにもぴったりということで、二つ返事でお受けさせていただきました。

PV作成

もともとリリース時に作ろうと思ってPVの案は構想していたので、それを当日のPVとして完成させることにしました。

こんな感じでExcelに使うシーンと秒数、BGMなどを記して整理していました。コンテのLv1みたいな感じですね。

PVの主な構成としては

  1. 序盤のストーリー紹介
  2. オープニングムービー
  3. システムの特徴紹介

の三部構成で、5分程度の長さを目指しました。

いろいろ詰め込んだり、しっかりシーンを見せるためには想定よりも秒数かかったりで、結局6分の長さになってしまいましたが……。

ゲーム画面の録画はWindows標準のWinキー+Alt+Rでできる録画機能、動画編集はMicrosoft公式の無料動画編集ツールであるClipchampを使いました。

動画編集は普段あまりやったことがなく、希望の演出を実現するのにかなり手こずりましたが、とにかく触って覚える感じで試行錯誤しながら作りました。

▲主人公コバルトの立ち絵(by oka様)

またオープニングムービーの制作にあたっては、キャラクターの立ち絵をokaさんに描いていただきました。

もともと作品中にオープニングムービーを流す予定で、1年半ほど前に依頼することだけはお話しさせていただいていたのですが、ようやく依頼することが叶いました。

キャラクタージェネレーターで作成した顔グラに身体を生やしてくれ、という無茶なお願いにもかかわらず、快く応じてくださって本当にありがとうございました。

工夫した点

今回はサプライズツクラーでの出演ということですが、サプライズツクラーでいつも困るのは、いまいちどなたなのか分からない点。

もちろんサプライズ枠だけに、名前を言われれば存じ上げている方々ばかりなのですが、普段からよく交流させていただいている方でなければ、画面だけ見て即座にどなたなのかは結びつかないものです。

だいたいあの方だと察しはついても、間違ってると失礼なので、誰かが名前を出してくれるまでコメントできなかったり……。

▲冒頭5秒目で表示したロゴ

そこで自分は、冒頭にパンダのアイコンとwerepanda.jpのロゴを持ってきて、誰なのかを明示するようにしました。

このアイコンはシンプルで特徴があるので、これがあれば誰なのかは分かるだろうと思いました。

▲冒頭で表示したゲーム開始シーン

ただ最初から誰なのか答えが出ているのも味気なく、普段仲良くさせていただいている方々には「コバルト」の名前を出すだけでも反応していただけるのではないかと思い、冒頭の5秒間はゲーム開始の呼びかけシーンを挿入して、その後にロゴを表示するようにしました。

こうすれば、「コバルト! ということはpandaさんだ!」と5秒の間に思っていただけるのかなと。意図通りに行ったかな?

苦労した点

これまでプラグインの解説や制作状況の紹介などで動画は編集したことがありますが、複数の動画の切り貼りや簡単な文字入れ程度しかやったことはなく、本格的なPVの作成というのは初めてでした。

▲様々な効果があるが何が何やら……

Microsoft Clipchampは無料ながらもひととおりの機能は揃っており、文字テロップの挿入やフェードイン・フェードアウト、動画の切り替え(トランジション)や各種エフェクトなど、必要な演出効果は使いたいものを選択してパラメーターを指定するだけで簡単に実現することができました。

ただ効果は「パルス」とか「VHS」とか言われても具体的に指定してみないとどんな効果なのかよく分からなかったり、パラメーターもどの値にすればいい感じになるのか、とにかく実際に指定して試してみないと分からない、というのは苦労しました。

無料版だからなのか、エフェクトもいまいちイメージした演出には物足りない感じで、ある程度は妥協しながらの作成となりました。

また、動画を編集していざ実際に再生してみると、タイミングがいまいちだったり位置がずれていたり、そうしたミリ秒単位、1ドット単位の調整も根気のいる作業でした。まるでツクールみたい。

▲恐怖のキャッシュ切れ

中でも一番苦労したのが、無料版だからなのか、PCのスペックの問題なのか、HDDの残容量の問題なのか、はたまたネットワークの問題なのか、たびたびClipchampのキャッシュが壊れて素材ファイルの読み直しが必要になったこと。

酷い時は1操作するだけで再読み込みが必要になったりして、これが上述のミリ秒や1ドット単位の調整をしている時に起きると、思わず諦めたくなりました。

良かった点

しかし何とか粘り強く編集を続けたお陰で、我ながら満足のいく動画が出来上がりました。一時は10分に1回ぐらい見返したりしてたw

おそらくshinさんの意図通り、当日はとても盛り上がったのが良かったです。

デフォルト素材の使い方が上手いとか、ピクチャなどを使わずに印象的なシーンを作るとか、普段意識している点をお褒めいただけたのもとても嬉しかったです。

Discordで通話するのが初めてだったので、事前に一応shinさんと通話テストを行っただけで、特に話す内容の打ち合わせとか事前準備とかも何もなかったのですが、shinさんがPVの内容や話した内容を上手く拾ってくださって、会話を広げてくださったのも有り難かったです。

何より今回こうして機会をいただけたことで、βテスト版を公開する良いきっかけになりました。

企画とお声がけいただいたshinさん、司会アシスタントで嬉しいコメントをくださったツバスさん、素敵な立ち絵とタイトルロゴを描いてくださったokaさん、そして配信時に有り難いコメントをくださった視聴者の皆さん、本当にどうもありがとうございました!

[ ゲームリリース情報 ] [ 王国の英雄 ] [ サイト情報 ] 長編大河RPG『王国の英雄』βテスト版公開!

2025-06-16 02:49:35

RPGツクールMZの発売直後から制作を開始して約5年。

長編大河RPGと銘打って制作してきた

『王国の英雄 - The Hero of the Kingdom - 』

体験版および正式リリース版に先立つβテスト版を公開しました!

『王国の英雄』公式サイトβテスト版公開のページから作品ページに飛ぶことができます。

フリーゲーム公開サイトのPLiCyで限定公開しているもので、アクセス時にパスワードが要求されますので、βテスト版公開のページの記述に従ってパスワードを入力してください。

βテスト版ということで、上記ページの注意事項をよくご確認ください。特に、現バージョンでは最後までプレイはできない点にご注意ください。また、バランスの悪い部分や進行不能になる深刻なバグ等も残っている可能性があります。不具合等を見つけましたら、ぜひ報告いただけると助かります。

まだ突貫工事でとりあえず公開したレベルですので、公式サイトは順次整備していきます。ぜひプレイしていただき、感想やバグ報告など些細な内容でも構いませんので、コメントをお寄せいただけると助かります。

いただいたプレイの感想やバグ報告などをもとに修正を加えて、最後までプレイできる体験版を8月頃、正式リリース版を9月頃に公開する予定です。

それではどうぞよろしくお願いします!

[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] 任意のセルフスイッチをONに

2025-01-05 16:58:19

以前公開した「セルフスイッチ操作プラグイン」をv1.2.0にアップデートして、任意のセルフスイッチの消去に加えて、任意のセルフスイッチをONにすることもできるようにしました。

「プラグインコマンド」から利用する関係上、RPGツクールMZ専用となります。RPGツクールMVでは動作しません。

なお、既存の「セルフスイッチの消去」機能の使い方に関しては、過去記事「任意のセルフスイッチを消去」をご覧ください。

また、既存の「セルフスイッチの消去」機能にも、コモンイベントから呼び出すとエラーが起こりうる不具合が存在していたため修正しました。お手数ですがこの機会にアップデートをお願いします。

今回のアップデートで新たに「セルフルイッチのON(Set Self Switches)」のプラグインコマンドが使用できるようになります。

使い方は「セルフスイッチの消去」とほぼ同様で、対象のマップID、イベントIDを数字で、対象のセルフスイッチをA-Dで指定すると、該当のセルフスイッチをONにすることができます。

マップIDに-1を指定すると現在のマップが対象になります。

ただし既存の「セルフスイッチの消去」にあったような、全てのマップや全てのイベント、A-D全てのセルフスイッチに対して一括でONにするような機能はありません。

基本的にセルフスイッチは、ONになったセルフスイッチの情報のみを保持しており(持っていなければOFFと見なす)、保持しているもの全てを消すのは簡単にできますが、逆はマップデータから全てのイベントデータを読み込んでくる必要があって、処理コストが非常に高いためです。

質問やアドバイスなどはコメント欄まで、お気軽にお願いします。素材利用条件などについては、このサイトについての「提供素材について」の項目などをご覧ください。

[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] 数値入力ウィンドウをさらに強化

2025-01-04 11:38:34

以前作成した「数値入力ウィンドウ強化プラグイン」をv1.1.0にアップデートして、入力桁移動ボタンを設けたり、キャンセルボタンの位置を指定できる機能を追加しました。

RPGツクールMZ専用です。ウィンドウ系は仕様が異なるため、MVでは使えませんのでご注意ください。

なお今回追加された新機能以外の使い方は過去記事「数値入力ウィンドウを強化」をご覧ください。

もともとのプラグインでは以下の3点が可能でした。

  • キャンセルボタンで数値入力をキャンセル
  • 数値入力の前後に文字列を追加
  • 入力可能な数値の最小値・最大値を設定(固定値 or 変数)

今回のアップデートで上記に加えて以下の2点が可能になります。

  • 入力桁の移動ボタンを設置(位置指定可)
  • キャンセルボタンの位置指定

スマホのタッチUIの場合、入力桁の誤タップが発生しやすいため、入力桁の移動ボタンを付けられるようにしたい、というご要望をいただいての実装となります。もちろん左右キーでの桁移動は今まで通り可能です。

また桁移動ボタンの追加に伴ってボタンの数が多くなるため、桁移動ボタンおよびキャンセルボタンの位置を調整できるようにしました。

今回の追加機能は、個別に変更する必要性は感じない(場合によって桁移動ボタンがあったりなかったり、キャンセルボタンの位置が上にあったり下にあったりと変わるのは、UI的に好ましくない)ため、いずれもプラグインパラメータで指定する仕組みにしています。

プラグインパラメータは以下の4種類です。

桁移動ボタン有効
数値入力の際に入力桁の移動ボタンを表示するかどうかを指定します。ONにするとボタンを表示します。デフォルトはOFF(表示しない)です。
1桁の場合は非表示
入力数値が1桁の場合に、桁移動ボタンを非表示にするかどうかを指定します。デフォルトはONで、ONにすると入力数値が1桁だけの場合は桁移動ボタンが表示されません。OFFにすると入力数値が1桁でも桁移動ボタンが表示されますが、当然ボタンを押しても何も反応がないので紛らわしいと思います。
桁移動ボタン位置
桁移動ボタンを表示する際の表示位置を、左下・左上・上部中央の3種類から選びます。デフォルトは左下です。
キャンセルボタン位置
キャンセルボタンを表示する際の表示位置を、右下・右上の2種類から選びます。デフォルトは右下です。

▲デフォルトの桁移動ボタン左下、キャンセルボタン右下配置。少々窮屈……。

▲桁移動ボタン左上、キャンセルボタン右上配置。ウィンドウは上に拡張される。

▲桁移動ボタンを上部中央に配置。ボタンは重ならないように調整される。

▲入力値が1桁だけの場合は桁移動ボタンが非表示になる。

ボタンの位置は任意に指定できると良かったのですが、数値入力ウィンドウは入力桁数によって幅が変わりうるため指定方法が煩雑になってしまうのと、言うてこれら以外の配置にすることもそんなになかろうということで、選択式にしています。

もし用意した以外のボタン配置をしたい場合、プラグインの改造はご自由にどうぞ。変更が大がかりでなく汎用的だと思える要望であれば改修も可能ですので、ご要望をお寄せください。

質問やアドバイスなどはコメント欄まで、お気軽にお願いします。素材利用条件などについては、このサイトについての「提供素材について」の項目などをご覧ください。